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あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

と、気づけば二つ前の記事が昨年の新年の挨拶日記だったという。

恥ずかしながら存命しております。
2011年は過労で倒れたり女性関係で痛い目を見たりガンプラにはまってしまったりして
まったく日記を更新できずしまいでした。
あとFc2の対応が悪過ぎてblogを使う気にならなかったのもあります。

そのうち時間があればblog引っ越したいなーとか思っていますが中々そんな時間もなく・・・。

でも小説は書きたいと思っていますので、またお越しくださると幸いでございます。

↓昨年の成果
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【ウォーロック】第一話「皮翼のクリムト」

※この作品は演出上、一部性描写、残虐な表現を含みます。
閲覧の際は自己責任でお願いいたします。





「俺はエクソシストじゃないんだがね」

そんな台詞と共に男はタバコの煙を吐き出した。
まるで漫画の吹き出しのように空気中に漂う煙が彼の言葉を繰り返して消えた。

「ええ、存知挙げています。しかし・・・」

相手の老人は男の返答をわかっていたかのように刻まれた顔の皺を微動だにさせずに言った。

「我々のような人間が教会に助けを求めるわけにもいかないのです」
「そりゃあまあそうだろうな。散々魔物を食い物にしてきたあんただ。こりゃ天罰って奴じゃないのかい?」
「ははは、返す言葉もありませんな」

相変わらず表情を変えずに老人は言葉だけの笑いを卓上に落とした。

「しかしあなたは女を抱く事でその魔力を維持していると聞きます」
「やだね、恥ずかしい事知ってるじゃないか」
「それはもう、あなたはこの世界じゃ有名ですから」
「人の性癖を噂するもんじゃないぜ。ベッドの上で女にどんな顔すりゃいいのか困っちまう」
「これが、孫の写真です」

そういって老人は懐から一枚のフォトグラフを静かに灰皿の横に置いた。
白くくすんだ煙の中に、まるで薔薇が咲いたかのような美しい女の顔が浮かぶ。

「へえ。奥さん似かい?」
「はい。私に似ず天使のような娘でございます」

男は写真を手に取るとまじまじとそれを見つめた。タバコの煙を吹きかけるのも躊躇われるほど美しい女の顔は、鋭い目つきの老人の血縁とは思えない程柔らかい笑顔で微笑みかけている。

「名前は?」
「アンジェリカと言います」
「悪魔使いが天使の名前を孫に付けたのかよ」
「はい。この子にはこの世界に触れて欲しくありませんでしたから」
「身勝手な話だな」
「あなたにはかないませんな」

老人は表情を変えはしなかったが、照れくさそうに禿げ上がった頭を撫でた。

「この子は私の宝です。魔物にくれてやるつもりはありません」
「だろうな。まあ、あんた普通の人間にしちゃあ今までよくやった方だと思うぜ」
「恐縮です」
「今までよく魂を食いつぶされずに生きてられたもんだ。今までたくさんのデビルサマナーを見てきたけが、皆魂がどす黒く変色してやがる」
「私だって自分の魂が綺麗なものだとは思ってませんよ」
「いやあ、世の中には自分の子供を媒介にする奴だっているんだ」
「私だってそうですよ」

老人はそう言うと、再び硬い皺を結ぶように視線を落とした。

「その子の祖母。つまり私の妻は悪魔に殺されました。もう40年近く前の話になります」
「あんたの名前が売れ始めたころじゃないか」
「はい。その時にその悪魔を蹂躙したのが私の人生の始まりだったのかもしれません」
「なるほど。そこでサマナーに目覚めたわけだ」
「はい」

エドガー・クリムト。
皮翼のクリムトという二つ名で、闇の世界にその名を轟かせた殺し屋がいた。悪魔を召還し人智を超えた力で依頼をこなすその実力はマフィア達の間で畏怖され、また利用された。彼によって壊滅させられた組織は一つや二つではない。

「あんたももう80か。時が立つのは早いもんだな。初めて会った時はインプを使うのにも脂汗流してたのに」
「はっはっは、あの頃はあなたに数秒で這い蹲らされましたな。しかしあなたは本当に変わらない」

クリムトは目の前でタバコを吹かす、30代半ばの男をまじまじと見つめた。40年前とまったく変わらない姿をしたこの男が、人間だとは思えない。だが、彼は人間くさい仕草と悪戯っぽい目で孫娘の写真を眺めている。

「孫は生娘です。私の孫だ、それなりに力も持っているでしょう。抱いていただいてもかまいません、きっとあなたの力になるでしょう」
「おいおい、孫の処女を売るつもりかい?」
「どこの馬の骨かもわからない輩に盗まれるか、生娘のまま悪魔に取り殺されるよりましですよ」
「さっき魔物にくれてやるつもりはないって言ったよな」
「はい」
「俺も似たようなもんだぜ」

男はタバコをもみ消すと、写真をクリムトに返した。
クリムトはそれを受け取ると、初めて顔の皺を緩ませ哀願するような顔で男をまっすぐ見た。

「ウォーロック、あんただけが頼りなんだ。どうかアンジェリカを助けてやってくれ、私はどうなっても構わない」

クリムトは搾り出すようなしわがれた声で言った。だが頭は下げない。その行為がウォーロックに対して無意味なのは知っていたし彼の顔から目を逸らす事はできなかったのだ。自分はもう長くはない、孫娘を託せるこの男の姿を目に焼き付けたかった。

ウォーロック。

本名は知らない。生まれた土地も、年齢も知らない。
ただ彼の名は数百年前からこの世界では知らないものはいない。
好色で酒とタバコが好きで、いい加減な男。
だが、女を抱く事で想像を絶する力を発揮し悪魔さえもこの男を避けて通る。
ウォーロック、それは彼の通り名であると共に彼の職業名でもあった。
デビルサマナーやエクソシストなどの悪魔や神を使役する能力者とは一線を駕するこの世に二人といない職業。
悪魔を踏みつけ天使を犯す。この男なら相手が魔王でもその角をへし折ってくるだろう。

「調子のいい話だな」

ウォーロックは再びタバコに火をつけると煙と共に吐き出した。

「悪魔使いは悪魔に食いつぶされるのが自然の摂理。あんたはそれを知っていてデビルサマナーとして生きてきたはずだろう。対象が孫娘だろうと関係ない、それもあんたの魂の一部じゃないか」
「わかっています、わかっているのです。しかしあの子だけは、あの子だけは何があっても守りたい」
「自分でやれよ」

ウォーロックは火をつけたばかりのタバコを灰皿に捨てて立ち上がった。

「私のストックをあんたに全部やる」

クリムトは血走った目で、唾を飛ばしながら叫んだ。

「あほか。そんな事したら今まであんたに恨み抱いてた悪魔が一斉に襲い掛かってくるぜ」
「構いません、。アンジェリカが助かるなら命など惜しくはない。もうどの道私の体力ではこのストックを扱えん、アンジェリカに取り付いた悪魔と戦う力がないのです」

ウォーロックはクリムトの濁った瞳をしばらく見つめ返した。彼の方がこの老人よりも数百歳年上なはずなのに、彼の瞳には精気が満ち溢れている。

「ウォーロック、頼む・・・」

そういってクリムトはシャツのボタンを引きちぎり、胸をはだけた。老いさらばえて染みと傷だらけのアバラが浮いた胸の中心に、魔方陣の刺青が紫の鈍色を放っている。

「私のまだ使えるストックは"マハエル"これをあんたに引き継ぐ」
「加速の魔か。あんたが皮翼って呼ばれた所以じゃないか」
「そうだ。動くものにならなんだって同化してその移動速度を倍加する。あんたが使えば自転車だってオートバイだって変えられるはずだ」
「オンリーベイグラントか。いいだろう、娘の体とあんたの命で引き受けたぜ」

そう言うとウォーロックは、クリムトの胸の魔方陣に手を当てた。激しい閃光とともにクリムトの顔に苦悶の表情が浮かぶ。

「彼方から此方へ、安行の魔マハエルよ、汝の主を我クリムトからウォーロックに血を受け継がん!」

クリムトはそう絶叫すると閃光の収束とともに脱力し、その場に崩れ落ちた。


あけましておめでとうございます。

一日に数人ですが訪れて下っている皆様、明けましておめでとうございます。


後半はほぼ更新していませんでしたが、今年はバリバリ行きたいと思っています。

現在「Red_Cry」はどこかの賞にでも出してみようかと言う筆者の勘違いから、ストーリーを練り直し
完結させようと1から書き直し中です。
「すべてを海に捨てようか」はいるかネットブックスさんから絶賛ではないにしろ発売中です。
紀伊国屋さんのネット小説販売でも見れますので、暇な方は是非。





昨年末は、突然ページが表示されなくなるトラブルがあり、Fc2に問い合わせたところ、
長々と待たされた挙句「テンプレートをいじってるから当社では責任を持てない」との回答。
おめーんとこが推奨してるカウンター入れてんだろう。
っというかここ一年くらいテンプレートいじってないのにページが表示されなくなるとどう言う事でしょうか。

Fc2さんは不具合を報告しても、無視。いつのまにかしれっと治してくれます。
それまでに起きていたこちらの不便はまるで無視。

私は仕事上、ユーザーサポートに関わる立場にいますがFC2さんは非常にユーザーに不親切です。

今年はブログをバリバリ更新していきたいのですが、どなたかいいblogをご存知ないでしょうか?
下記は試したり使ったりしていますのでなしで(笑)

・アメブロ
アダルトな発言を誘発するお題をブロガーに振っておいて、正直に記事にしたら「アダルトな内容が記載されているため非表示にしています」とか意味不明で、文句を言ったら無言で解除。
回答も謝罪もなし。もう使いません。

・mixi
掲載記事に関する著作権はmixiに、というトンデモ発表があってから作品は載せていません。
普通にプライベートな日記を載せてますが、マイミクになってもいいと言う既得な方がおられましったら是非ご一報くださいませ。

モバゲーとGREEは仕事関係でアカウントが社内にバレてますので簡便してください。


そんなこんなで愚痴っぽくなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。
移転の際はまた告知しまーす。

永遠なんて一秒で決まる。

人間と言うものは、体内に血脈が流れ続ける限り時間という概念を感じずにはいられない。さらに言うならば空腹感という感覚がある限りそれは顕著に出るだろう。

時間が経てば経つほど、過去の出来事は蓄積され続け、それに比例して後悔と言う感情に責悩まされる。

あの時こうすればよかった。
あの時こう言えばよかった。
あの時助けてあげられたはずなのに。

しかし幾ら呪文のように呟いた処で過去を修正できる魔法は唱えられない。
それを少しでも和らげるための呪文はある。

「あの時の自分があったから今の私がいる」

少し、ほんの少しだが心の痛みを和らげるモルヒネ代わりにはなるだろう。

人間は卑しく虚しい生き物で、未来が訪れてから過去の行為を悔やみ、あの時こうしていればなんとかなった、と自惚れるのだ。
どうにもならない事はどうにもならない。

俺はその卑しく虚しい人間の標本になれるくらい自惚れた人間であるから様々な後悔を抱えている。
胸に抱えた籠から一つまみ取り出しては酒の肴代わりにひと舐めし、苦味を楽しむのだ。

あの時、あんな事を言わなければ。
あの時、あの子の想いを受け入れていれば。
あの時、あの場から逃げ出さなければ。

だけれどこう思う事もある。

あの時、何も言わないでいたら明るい未来を開けたのだろうか?
あの時、あの子の想いを受け入れていれば彼女は幸せになれただろうか?
あの時、あの場に留まっていたらあの娘は今頃死なずに済んだだろうか?

きっとその先にも選択を迫られる出来事があって、結局は新たな酒の肴が増えただけではないか。

あの時の自分があったから今の自分がいると言う台詞は至極最もではあるし、当たり前の現象だ。

でも俺は、それはそのためのものではないと思う。
あの時、ああしたから未来が決まったのではなく、あの時ああしたから今こういう選択肢ができるのではないか。

毎秒呼吸をするという選択肢も、過去の恥を忍んで大事な人に想いを打ち明けた事も、生家から遠く離れた場所で思い悩む事も、
あの時の選んだ経験があるからこそ、今新たな選択肢に迫られた時に判断ができるのではないか。

実際のところ過去にも未来にも自分は居やしないのだ。

必要なのは今息を吐くか吸うか、煙草に火を付けるかの選択。
今携帯からこれを見ているおまえの選択は過去の選択の賜物なのだ。

そんな「既に」「未だ」存在しない自分に向けて何を考える事があるのだろう。

しかし、矛盾しているかもしれないが「後悔」と言う事に対して俺は美しさを感じずにはいられない。
自分自身の過ちに涙し、反省し、思い出してはまた涙する行為は美しくはないだろうか。
他人を恨む気持ちや蔑む心や根底に真っ黒な反吐がある気持ちと比較すれば、自身を責めるという償いの行為のなんと美しい事か。
誰に迷惑も掛ける事が無いならば、多いに後悔すればいい。
後悔をしない人間にはわからない美徳を知る事ができれば価値がある行為ではないか。

そう考えたからこそ、再発した腰痛を労わるために湯船につかるか否かの選択肢に迫られた挙句、浴槽に栓を落とし赤い印のついた蛇口を捻った。
これは今の自分の行為である。




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平凡な猫日和


今朝の東京は雲一つない晴天です。
休日は朝の陽光の眩しさに目覚めるのが好きなので、カーテンを開け放して就寝するのだけど、今朝は陽射しで足元が暑くなり目が覚めた。
少しまどろんでいると郵便配達がチャイムを鳴らし、注文していた海外の薬を届けてくれた。
中身はわかっていたので封は切らずに畳の上に投げ出し、また二度寝の誘惑に身を委ねた。
しばらくして再び陽射しの強さに呻いてようやく起床する。
昨晩煮込んだ肉の入っていない、野菜ばかりのビーフシチューを温めなおし、昼飯に近い朝飯を食う。
醤油を入れすぎた、肉じゃがみたいな味だ、と思いながら昨晩書いたMixiの日記を読み返し一人赤面する。
一日の内に忘れてしまいたい事は何度かあるもので、それを消そうかと思ったが、自身の恥を隠すのは新しいポリシーに反すると諦め、ネットを通じてライター募集にいくつか応募する。
先程届いた郵便の封を開け、英語ばかりの解説書に辟易しながら薬を一粒飲み、コーヒーを入れ、さらにライターの仕事はないかとネットを探る。
コーヒーを飲み終えると風呂に入り、入り終わると洗い立てのジーンズと上着を一枚羽織り、鏡の前で髪を解く。
顔に微かに浮き出た赤い斑点に本日二度目の呻き声を発し、返却日を過ぎていた本を返しに図書館へ向かう。
ああ、布団を干しておこう。

歩きタバコという世間の道を外れた行為に悪びれる事なく晴天の中、図書館までの道のりをボンヤリと行く。
サングラスをしてきてよかった、かなり陽射しがきつい。
僕は団子鼻だからサングラスが似合わない。
しかし誰が気にする事もなかろうと利便性の理由のみでかけているから誰に気をつかう必要もない。

図書館に着くと広場でフラダンスの発表会をしていた。
弛んだ二の腕を振り揺らしながら、老齢の女性が南国のリズムに併せてゆったりとした振り付けで愛の唄を表現している。太極拳みたいだな、あははは。

受付で本を返却し、係りの女性に返却日を過ぎていた旨、優しく咎められて少しキュンとなる。
女性に優しく叱られるのはどうも弱い。
図書館の太宰治のラインナップの貧弱さにあきれ返りながら、「津軽通信」と「ヴィヨンの妻」を借り受ける。

帰りすがら、老齢の女性の化粧品の匂いにウンザリしながらまだ風邪の完治しない体を労わって肉でも食いに行こうかと思ったが、徒歩20分もかけて駅前に出るのが面倒になり諦める。
代わりにコンビニで焼肉弁当とビールを一本買う。ついでに牛乳を買おうと陳列棚に足を運んだが、種類が多すぎて数秒迷う。
牛乳なんて一種類あればいいんだと思う。仕方なく一番安いものを選び、会社から至急された食券で支払いを済ませる。この食券、本当は食料品だけにしか使用してはいけないのだが、このコンビニは酒もタバコも買えてしまうから便利だ。
そのまま帰宅はせず、数ヶ月前に我が盟友ロビンソンの亡骸を葬った公園へ向かう。
幸いだれもおらず、閑散とした雰囲気の中でベンチに座り弁当を開く。
高校の頃、散々惨めな思いをした公園一人ランチを思い出し、少し陰鬱な気持ちになったが、すぐさま寄ってきた野良猫の毛並みの美しさにそれもすぐに晴れる。
おまえに食べ物をやると近所の人に怒られるのだよ、と言ったがやはり猫には通じるわけも無くひたすら僕の目と膝の上の弁当を見比べていやがる。
それならばこうしよう、写真のモデルになってくれ。その報酬に肉を一切れやろうではないか、と携帯を取り出しパシャリ。中々役者だ、プロの顔だなコレは。
約束の肉の一切れを渡すと無我夢中で平らげ、口の周りを舐めながらまた僕の方を見る。
いや、もうだめだよ。俺の分がなくなるから。
そう言ったところでこやつには通じるわけも無く、再び愛らしいポーズなんか取り始めやがる。
その後二切れの肉と4枚の写真を交換して、ようやく諦めていただけた。

僕が弁当を食べ終えて、ビールとタバコを吸いながら「ヴィヨンの妻」を読み始めると、やつはベンチの横に座り、食後の休憩を取っている風であった。なかなか肝の据わった御仁でござる。
猫と世間話をする中年の男に、通りすがりの主婦が奇異の目を向けて去っていくのがわかる。
昼間から酒を飲みながらタバコを吹かし、文庫本片手に猫と会話しているのだからそりゃあ無職の世捨て人に見えただろう。
しかし奥さん、今日は祝日。サラリーマンだって休みの日くらい世を捨てたいのですよ。
ヴィヨンの妻に納められていた「親友交観」を読み終えた頃には、猫もベンチからいなくなり、日の当る場所に移動して涅槃の姿でくつろいでいた。
少し肌寒くなってきた午後三時。
先客が撒き散らしたタバコの吸殻を広い集め、こんなことをするから愛煙家が肩身の狭い思いをするのだとぼやく。
帰りすがら、先ほどのコンビニのゴミ箱に弁当の残骸を捨て、家路に着く。
無人の玄関先を占領していたアパートの主が慌ててベランダに逃げ込むさまに、今日は猫日和だなと笑いながら自室の鍵を開け帰宅。

日差しの溜まった部屋は暖かく眠気を誘う。
昨晩のうちに原稿は校了したので、特に急ぎの用事もなく買ってきた牛乳でカフェオレを作り、またタバコに火をつける。

左目が良く見えないが最近は珍しくもない事なので、寝れば直ると干していた布団を取り入れ、横たわる。

嗚呼、充実感も不足感もない平凡な一日だった。

夜になったら小説の続きでも書いて、微かな充実感を補おう。

あと、好きな人ができてその人と家庭が持てたら猫を飼おう。

おやすみなさい。



君は僕の事を忘れるだろう

くるり、またくるりとカレンダーに印されたアラビア数字が1から31、ないし30、ある年は28を行き来して行く。

通勤の苦痛を憐れむかのように街頭に咲き乱れる花や、アスファルトから照り返す熱や、油断して痩せた体を突き抜ける北風や、静寂、あるいは眠りを誘う雪は多少の遅れや早足ではあっても順番通りやってくる。

東京に出て来てから何度それらを見送っては迎えを繰り返しただろうか。

ある日些細なきっかけから一人の女と出会った。
すらりとした健康的な四肢に勝ち気な笑顔を見せるその女は、病と戦っていると明るい声で言った。この病を治癒させるには人と触れ合う事だと笑った。

その女は僕の、時に若さゆえの孤独を埋め、不器用な私の空腹を満たし、何度裏のない笑顔を投げ掛けてくれただろうか。

彼女は一見、誰よりも強く、誰よりもよく笑う歩んで来た道に磨かれた美しさを持っていた。
しかし過去にあった一点の、ただ一点の黒い点が心に染み付いていた。

私はあなたな事を忘れるかもしれない、でもそれはあなたのせいじゃないの。私の頭の中にはそれを留めておく海が、波を寄せるのを止めてしまったの。

彼女の言った言葉を医学的に受け止めたものの、心でそれを信じる事は叶わず。僕はただ頷くだけしかできず、彼女の脳裏に僕の想いを焼き付けようとした。

ある日彼女の体に僕の生き様をさらけ出した夜、これがこれからも繰り返し行われる彼女の記憶に残すための儀式としてまたある日がくると信じ、彼女の小さな頭と細い体を支えながら眠った。


しかし彼女の言ったとおり、彼女の記憶が新たに塗り直される事はなかった。
彼女の停止した毎日は、彼女の希望とは裏腹に新しい思い出をその時どきに留めず、過去の事にもせず未来に繋げてくれることもない。
彼女はただ激しく感情を暴れさせ、また停止した日常に戻るだけ。

流れ続ける日常に取り残された僕は、ただ唖然としながら、彼女の脳神経を傷つけた黒い点を呪うばかりだった。

他人の過去を呪う事の虚しさ。
脆い現実き心に怯える臆病さ。
愛情で奇跡を起こすことさえできない非力さ。

何から逃げ出したかったのかもわからぬまま、僕は声を出して泣いた。


今も彼女の日常が、停止したままなのかどうかはわからない。
だけれど残念ながら僕の日常は今だ停止することなく、どんどんあの時の事をあの夜の果てに追いやっていく。

たまに思い出しても、もう涙はでない。

君は僕のことを忘れただろう。

でも後何度記憶が抜け落ちても、
君の名前も、君との思い出は忘れても、僕は君の事を忘れないだろう。


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よろしくお願いします♪

書く上での悩み

少し悩んでいます。
もう五年も前から書き続けている「Red_Cry」を色々手直し&完結させてどこかに持ち込もうかと思っているのですが、
根本的なところで悩み中です。
お話は開始からラストまで頭の中でほぼ形にはなっているのですが、
問題は「人称」。
従来この作品は主人公の「月歩」の一人称で描いてきました。
そのおかげで読んで頂いた方々からの好評も頂いているのですが、
どうしても「一人称」では月歩くんが見ていないシーンなどの描写ができず、
現在想定しているストーリーでは難しいのです。
思いつきで紅い月に向かって歩き出した月歩くんですが、
結構裏で様々な人々の思惑や暗躍が駆け巡っているため、彼の視点だけではそれを僕の力量では描ききれず・・・。
様々な一人称を使い分けている作品もあるようですが、僕はまだそれをうまく纏める実力がなく難儀しています。
本当に初歩中の初歩な話なのでお恥ずかしいのですが、よい手法やお手本になるアイデアがあればご教授いただけますと幸いです。

「No more heros~英雄達の楽園~」ランキング戦攻略

「No more heros~英雄達の楽園~」ランキング戦攻略


最近プレイ中の「No more heros~英雄達の楽園~」、一週目クリアできたので
「MILD」でプレイした際の各ランカーの攻略情報を書いていきます。
※ネタバレあり。


【10位:デスメタル】
さすが最初のボス、と言った感じの入門編です。
ターゲット&ガードをちゃんと使えれば勝てます。
途中分身しますが、焦らず深追いせずに確実に攻撃を当てていきましょう。
どうも本体(一番HP減ってる奴)には攻撃が当たらないような気がします。
なので、分身から確実に削っていきましょう。
深追いすると、死角から他の分身に攻撃されて、こちらの攻撃が中断されてしまうので
どうせ中断されるならヒットアンドウェイで無駄なダメージは受けないように。

【9位:Dr.ピース】
遠距離からマシンガンやガード不可能な衝撃弾を撃ってきます。
マシンガンはガードできますが、ビームカタナの電力を激しく消費するため
できるだけ緊急回避でよけた方が無難です。
ガード不能技は、体が光って撃つ瞬間音がするので、
音がなった瞬間緊急回避すれば確実に避けれます。
このタイミングさえ掴めれば、大きく隙ができますので
あとは斬ったり投げたりボッコボコにしてください。

【8位:シノブ】
女子高生が相手です。興奮してるとやられます。
遠隔、突進、空中への回り込みを駆使してきます。
回避不可能技が多彩ですが、これが彼女の弱点。
回避不可能技は、放った後に大きな隙ができますので攻撃を当てやすいのです。
遠隔は、柱の影に隠れるか、緊急回避でかわせます。
突進の居合いや、空中への回り込みを発動した時に、こちらもガード&右スティックで
相手の側面に回りこむと、攻撃が面白いくらい入ります。
相手の動きを冷静に見て、回避・回り込みを駆使すれば余裕です。
ここで回避と回り込みをマスターすれば、次からかなり楽になりますので練習しておきましょう。
シノブちゃんワカユス。

【7位:デストロイマン】
最初のムービーでかなり腹立つ&攻撃パターンの巨大さにビビリますが
怒りに我を忘れず冷静にさえなれば余裕です。
こいつもガード不能技をうまく回避して隙を突きましょう。
数種類の技を使ってきますが、モーションが大きくどの技がくるか分かりやすいので避けやすいです。
まず、前方に一直線に撃つレーザー。できるだけ背後を取る勢いで避けましょう。
攻撃判定が大きいので、ちょっと正面からずれただけでは当たる場合があります。
手から電流を放つ攻撃も、同じく範囲がでかいので大きめに回避しましょう。
地面を叩いて地震を起こす奴も、離れたら怖くはありません。
基本的に大きめに回避をしなければなりませんが、デストロイマンは技を撃った後の硬直が長いので
攻撃を当て放題です。
何度も言いますが冷静にさえなれば余裕。おそらくこれまでで一番弱いと思います。
僕はシノブに3回くらい負けましたが、こいつは一発でした。

【6位:ホーリー・サマーズ】
セクシーなミリタリーねーちゃん。
ステージ全体に無数の落とし穴があり、落ちると手榴弾放りこまれます。
接近するとダッシュで逃げ、追いかけると落とし穴に。
近づけたと思ったらガード不可、回避も難しいホーミングミサイル攻撃。
難しくはないですが、結構時間がかかります。
落とし穴はうっとおしいですが、落ちるとホーミングミサイルを喰らわないので
逃げ切れない時はわざと落ちるのも手。
これ!と言った必勝法はありませんが、落とし穴を回避(うっすら見える)し
落ちても忍耐強く追いかけ、少しずつダメージを与えていきましょう。
ホーミングミサイルも、発射された後、弾道が決定してから回避すると避けれるように思います。
弾道が決まる前に避けると、避けたところに飛んできます。
最後は手榴弾を口に咥えて自決するという悲しい結果になります。
そんな手榴弾を2~3個腹の上に落とされても死なないトラヴィスかっこいい。
クリア後に「米軍のアレ」が入手できますが、すぐにナオミちゃんになじられに・・・いや渡しに行きましょう。
僕はMじゃないですがナオミちゃんには上に乗られたいです。

【5位:レッツ・シェイク】
攻略もクソもありません。
ムービーが始まったら安心してコントローラーから手を離しましょう。
注意点といえば、道中で敵をターゲットして方向がわからなくならないように。
気がついたらスタート地点に向かってた、なんて事があります。
一本道なのに・・・

【4位:ハーヴェイ・モイセイェヴィチ・ヴォロダールスキー】
名前今まで知らなかった。
手品師らしいです。
手品師らしく、瞬間移動したり鳩飛ばしたり・・・
してきますが、おっそろしく柔らかい。
さらに気絶もよくするので投げ放題。
瞬間移動の際に姿を見失わないように、ターゲットをしっかりしていれば
びっくりするくらい簡単に勝てます。
きっとこの後、「真の戦いはこれからだー!」ってな展開になるんだと確信してしまったくらい
あっさり倒せます。

【3位:スピードバスター】
このランキグ戦では、ボス戦はありません。
しいて言えば、道中の雑魚戦(倒さなくてもOK)がすでにボスせん。
一本道の廃墟をずんずん進んで行くのですが、
奥からボスが通路を覆い尽くすほどの巨大なレーザー光線を撃ってきます。
ですが、通路の各所には扉を破壊すると入れるわき道があり、そこにタイミングよく入ると
無傷でボスまで到達できます。
逃げ切れなくても、レーザーは一応ガードできます(ダメージは受けます)
わき道に入るとたまに雑魚が奇襲してきますが、あっさり蹴散らせます。
ボスに辿り着けたら終了。
クリア後に「日本刀」が刺さってますが忘れず回収しましょう。
回収したらすぐにナオミちゃんに捧げに行きましょう。
2位のランキング戦が確定したら新作のビームカタナを発表してくれます。
金額に絶望しますが。
(僕は面倒なので買わずに2位戦進めました)

【2位:バッドガール】
アル中・快楽殺人狂のどうしようもないコスプレねーちゃんです。
でも「仕事の殺しと快楽の殺しとどっちもいっしょじゃねーか、区別してんじゃねーよ!」と意外とまともな事言います。
こいつもバット振り回しの肉弾キャラです。
ガード不能技が発動したら距離を置きつつ、隙を突いて殴りましょう。
ずっと殴りっぱでも構いません。ガード不能技さえ避けれれば。
途中、雑魚をミサイルみたいにかっ飛ばして来ます。
避けると背後で打ち込まれた雑魚が起き上がって襲ってきますので注意。
バットに火をつけて振り回したり、かなりDQNっぷりを発揮しますが特に怖くはありません。
なにより恐ろしいのは、急に倒れて泣き出す時。
この時に絶対に近づいてはいけません。
近づくとマウント取られて即死技を喰らいます。これは回避できません。
そくアウトです。
最初喰らった時は唖然としたぜ。
トラヴィス君、バッドガールちゃんはなぜかシノブやホーリーの時のように情けを掛けずにあっさり殺しちゃいますが
とどめを差した時「絶対まけねええええ」とお腹から血の噴水上げながらバット振り回す彼女に対し
「わかった、俺の負けだ」と言ったのは苦しまぎれか優しさかなのか。
最後疲労で倒れたとこを見ると前者なのかなあ。


【1位:ダークスター】
こいつも開始早々死にます。
この展開2回も使われるとは思わなかった・・・呆れてものも言えん。
その後唐突に現れたトラヴィスの妹、ジーンとの戦闘になります。
ジーンはものすごく素早く瞬間移動に近い移動を繰り替えします。
ガード不能技は、特に範囲の大きいものもなく回避も難しくはありません。
深追いせず、しっかりガード・回避を決め、確実に攻撃を当てて行きましょう。
ここまで来た人なら割と簡単に勝てるはずです。
最後にシノブちゃん再登場ですが、もうちょっといじってほしかったなあ。
ジーンの「殺さないでお兄ちゃん」のセリフはいらんと思う・・・。
前後のセリフからして、ここで騙しキャラになる意味がわからなかった。
そして心臓差されても平気な顔してるトラヴィスもなんかなあ・・・最後なのに緊迫感がなかった。
最後の最後でなんかがっかりさせられた感が否めませんでした。

No more heros~英雄達の楽園~


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