FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

サクラのエリコ 第十一話「どんだけー」 

・・・考えてるの・・・


・・・いいじゃねえか久しぶりなんだし


・・・身の程を知りなさい!自分の状況わかって…



「ダァーーーー」

と慶一郎は寝袋から飛び起きた。
隣がうるさくて眠れない。
今いったい何時だ、と携帯を見ると夜中の3時。
106号室の住民が口喧嘩をしているようだ。
106と言えばあの美人、男と住んでるのだろうか。

そんなことはどうでもいい、夜中の3時に喧嘩とは非常識だ。
自分は良くやるが他人にやられると腹が立つ。

慶一郎はうるさい、と壁を蹴ろうと足を上げてふと止めた。

なんか逆ギレされそうな気がする。



昼間のあの美人の迫力を思い出すとなんだか勝てそうにない気がする。
なぜだろう?

カスミの腕力は目の当たりにして知っているため畏怖を感じているのはわかるが、睨まれただけで慶一郎がビビるなんて事はとても珍しい。

彼は頭が悪いだけに、自分よりも強い相手に食ってかかる狂犬のような少年だった。
そんな彼が生まれて初めて睨まれて動けなくなったのは、鮫島と最初に会った時だった。
この人には勝てない。
本能がそう言った。

そうだあの時の感覚だ。
あの美人の殺気は鮫島の親父に似ているのだ。

しかしなぜ?ただ単に、すごい美人だから緊張してしまったのではないだろうか?


だけどやっぱりそれ以上考えるのが面倒なので、3秒後にまた寝た。




ピンポーン


しばらくして今度はインターホンが鳴った。


ハァー!?と思って時計を見るとすでに9時。
どうやらぐっすり眠ってしまったようであった。


「はいぃ」


眠い目を擦りながら、ドアを開けるとエリコがいた。


「おっはよーっす!」


「なんだよ」


「ほれ!」


エリコが何やらビニール袋を差し出す。


「あん?」


袋を受け取り、覗くと中に朝マックが入っていた。


「むぉ、なんでそんなに優しいんだよ!?」


「普段慶ちゃんにはお世話になってるからーん♪」


「ありがてえ」


朝マックのいい香りが慶一郎の空っぽの胃を刺激する。


「それ食ったら出かけるからさっさと準備シロヨ」


エリコの優しさには必ず裏がある、というのを忘れていた。


「野郎…」


「ついでに歯磨きも買って来てあげたから」


袋の中を覗くと、コンビニで買った歯磨きセットとパンツまで入っている。
パンツを朝マックと同じ袋に入れるな、と思いつつもエリコの気が利くところには関心せざるを得なかった。


「ところで出かけるっておまえ、外出は控えろって…」


慶一郎が言いかけると、隣の部屋がのドアが開いた。
昨日の女性だ、日の下で見てもやはり美人である。


「おはよーうございます」


エリコはなんの警戒心も見せず、挨拶をした。


「おはよう」


キッチリと隙のない格好からして、人前に出る接客業かなにかだろうか?日本人離れした長身と手足の長さが人混みの中でも目を引きそうだった。
よく顔を見ると、少し日本人離れした目鼻立ちだ。外国人の血が混じっているのかもしれない。


「あ、すいません昨日は」


「気にしないで」


そっけないが優しい言い方でそう言うと、彼女は鍵を閉め言ってしまった。


「キレーな人ね~」


「女優かなんかかな」


「女優が大久保に住むかな」


「そりゃそうだな」


「外人さんみたいね」


「なんとなくオマエに顔似てないか?」


「ヤーン慶ちゃんそれはワタシが美人ってこと!?ハッキリ言ってもイイノニー♪」


「じゃあな」


バンッ

そう言うとドアを閉めた慶一郎。
ぽつーんと残されたエリコ。


「どんだけー」




その夜。

新宿歌舞伎町のBAR
「IKAHODO」

エリコの知り合いのママが経営するバーで、3人は軽い夕食を取っていた。


「あーら未成年にお酒はダ・メ・ヨ」


「やーんママのけちー!」


どの角度から見てもケンシ○ウにしか見えない、筋肉隆々のヒロミママ。元自衛隊員だったが、ゲイであることを隠しきれずここに流れついたらしい。
だが持ち前の明るさと人当たりのよさで、エリコのよき相談相手でもあった。

ちなみに鮫島組も一目置くほどの戦闘力の持ち主でもある。


「今日はお客さん少ないねえヒロミちゃん」


「ね~しばらくプライベートな用事で店閉めてたのよ~だからじゃないカシラ」


「どしたの?北斗神拳の大会かなんか?」


「そうそう、優勝したわよってゴルァ」


「おはようございまーす」


次々とラ○ウやらサウザ○に似た世紀末伝説に出てきそうなゴツイオカマが店に入ってくる。

「あらおはよー今日も頼むわよーん」


どうやらここの従業員達らしい。





「ここはいったい何が売りなの?」


カスミが不思議そうな顔で聞いた。


「世紀末プレイ」


無言で納得した素振りを見せるカスミ。しかしここの料理はうまい、カスミはそこだけは関心していた。


「エリコちゃん、ちょっと開店の準備してくるから相手してあげれないけどごめんね」


「あーいいよヒロミちゃん!っていうか邪魔じゃないワタシら」


「何言ってんのょ。アンタとワタシの仲じゃない、ゆっくりして行きなさい」


そういって長い付けまつげをバサッと羽ばたかせウインクすると、カウンターの奥に消えていった。


オマエラ今日も気合入れていくぞオラァーー!!

押忍!!!


カウンター奥の控え室で野太い怒号が聞こえた。



「お、おいエリコ、あの人"覇王のヒロミ"じゃねえかよ」


「あら慶ちゃん知り合い?」


「この辺じゃ有名じゃねえか、昔あの人にうちの組の若い衆が10人病院送りにされたらしいんだぞ」


「でもいい人だよ。いまは鮫島のパパと仲良しだし」


「そうなのか・・・」


さすがエリコは新宿でNo1ホステスだったことはあるな、と変に関心してしまった。



▼ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「サクラのエリコ」に投票

nnr.gif

ブログランキングにもご投票していただければ幸いです。
a_02.gif
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://intuitions.blog60.fc2.com/tb.php/191-6b0e5444

FC2 Blog Ranking

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。