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Red_Cry・第七十三話「等価交換」

Red_Cry第一話からはこちら↓
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「さて、僕等も東京に向おうか。アカネさんも一緒にこない?」


「ええ、行くわ太乙って人の所。でも一緒には行かない」


「ええ!?なんで??」


「ごめんなさい」


「ぼ、ぼくなんか怒らせるようなことした!?!?」


「違うわ、そんなんじゃない」


「じゃあどうして?」


アカネさんは俯き加減だった視線を戻し、まっすぐ僕を見た。


「私、また口裂け女に戻っちゃったわ。我を忘れて」


「だから戻ったって嫌いにならないって」


「ええわかってる、あなたは優しいもの。でもあなたの事じゃないの」


「・・・?」


「私、口裂けになっている時は激しい何かが胸の中で渦巻いて・・・理性が効かなくなる」


赤マントが言っていた「怒りで恐怖を」なんとかかんとかってやつだろうか。


「こんな醜いすがたあなたに見せたくないし・・・いつかあなたを傷つけてしまいそうだから」


「それは・・・」

僕は思わず言葉を止めてしまった。
それは、それは僕が無力だからだ。僕に暴走したアカネさんを止める力はない。
僕に力があれば彼女がこんな思いをしなくてもいいのではないだろうか。


「あなたのせいじゃないわ」


アカネさんは僕の気持ちを見透かすように、優しく僕の頬を撫でた。


「俺強くなるよ」


「あたしも強くなるわ」


「じゃあオレモ」


と言ったヤタをアカネさんは掴んで投げた。


「でもね、私は女の子だから。完璧には強くなれない」


「うん」


「だから私が完璧になれない分、あなたが強くなって。私が私を止められない時、あなたが止められるくらい強くなって」


「わかった」


「えらいわ、お姉さん趣味が変わりそう」


そう言ってアカネさんは僕にキスをした。
唇が軽く触れただけだったけど、紛れもないキスだった。


「じゃあね、カブキ街で会いましょう」


固まる僕に優しく微笑みかけると、彼女は闇夜に消えていった。
これ、僕のファーストキスじゃないのか?!?!
生前の記憶が曖昧なのでなんとも言えないが、体を駆け抜けた電流は生まれて初めて感じる衝撃だった。


「カァー、乱暴な女だカァ!あれ?どこへ行ったあの鬼」


どこまで遠く投げられたのか、ヤタが息を切らして戻ってきた。


「行こう、太乙さんのもとへ」







(*・ω・)「俺たちゃドウスルー?」
(#・ω・)「うーん、せっかくシャバに戻ったしなあ」
(◎・ω・)「・・・」


(*・ω・)「・・・」
(#・ω・)「・・・」
(◎・ω・)「・・・」


(*・ω・)「しかたねえ」
(#・ω・)「行くか」
(◎・ω・)「ネエサン独りじゃ危なっかしいヨネ」


カマイタチ三兄弟は、アカネさんの後を追って駆けていった。


それぞれの道で、同じ目的地へ向う。
僕達はそこへ着くまでに強くなっているだろうか。





~赤マント編・完~






~同時刻:東京・カブキ町ラブホテル街~


太乙は事に飽きた様子で、タバコに火をつけた。
隣では女子大生風の女が一頻りの快楽に疲れ果て、眠り込んでいた。
茶色く染めた髪、小麦色に焼けた汗ばんだ肌、しばらくは遊べるな、と太乙は女の若い肉体をしばし鑑賞した。


灯りを消したラブホテルの一室で、枕元のデジタル時計の光だけがその存在感を誇示している。
ふと燻らせていたタバコの煙がかすかに揺れた。


「覗きってのは立派な性犯罪だぜ?」


暗闇に向って投げかけた言葉は返ってこない。太乙はため息と同時に煙を吐き出した。


「かんべんしてくれよ、この子が目を覚ましたらもう1ラウンドするんだから」


「肉欲にふけるとは羨ましい限りだ」


うっすらと闇の中に何者かの輪郭が浮ぶ。それはそこから動かない。


「男は性欲が無くなったら一気に老けるぜ」


「覚えておこう」


「で、なんのようだ、赤マント」


暗闇に浮ぶ赤マントのマントは、闇と混ざり合いドス黒い血に見えた。


「お前の息のかかった死者を二人、返してやったぞ」


「やさしいなぁ、ありがとう」


「代わりにこの新宿で狩りをさせてもらう」


「勘弁してよ、俺の息がかかったのいっぱいいるんだぜ」


「等価交換だ。ずっとお前が指定した禁猟区、新宿での狩りは控えてきてやったじゃないか」


「うーん。おまえさん変に律儀だねえ」


「そういうおまえは変わり者だな。ワザワザ剣を差し向けなくとも書状の一つでも遣せばよいものを」


「はっはっは、赤いポストが目印なだけに手紙でも投げ込めばよかったかい?」


「戯れるな、2~3狩らせてもらうよ」


「2だろ?」


「小さいおまけを3匹つけてやった。それを入れたら人間3人分だ」


「細かいなあ」


「いいな?太乙真人」


「わぁーかったよ。あ、この娘はだめだぜ。すげえ口でするのが上手なんだ」


赤マントは返事をせず、すっと闇に姿を消した。
同時に気配も消え、そこはもとの暗がりに戻った。


「やれやれ、高くつくね」


「う~ん」


女がようやく目を覚ます。


「お目覚めかい?」


「うん・・・今誰かと話してなかったぁ?」


女はけだるそうにいった。語尾が頭の悪さを想像させる。


「ああ、電話してただ・け♪さあて、また気絶させちゃおうかなあ~」


「あん・・・やだあもう太乙さんてばぁ♪今日会ったばっかりなのにぃ~」


太乙は女に覆いかぶさると、再び快楽に身を沈めた。


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