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Red Cry ・第七十六話:「飛刀の自己紹介」  

Red_Cry第一話からはこちら↓
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阪急高槻駅のロータリーにバスは到着した。
ヒキコが追ってくる気配もなく、改札をスルーすると梅田行きのホームに丁度快速が来たところだった。

ドンピシャで帰宅ラッシュになるため、車内は混雑している。
もちろん僕らは最後尾の運転室に忍び込んだ。
電車は滞りなく発車し、僕らは少し緊張が解けた思いだった。


「さて、おちついたところで話てもらおうカァ」


「聞きたい事いっぱいあるな、順序立てて話してくれよ」


「うーんしかしですね、何から話せばよいのやら…ムリだとは思いますが、話さないでこのまま梅田まで連れて行ってはくれませんか?」


「図々しいやつだな。我々はすでに巻き込まれて迷惑こうむっているカァ!できうる限りトラブルは避けたいのだ、っそのためにも事情を話してもらわねば協力はできん」


「ヤタの言うとおりだ。話せないなら、冷たいようだけどここでお別れだ。オマエと一緒にいてあんな化け物なんかに狙われたらたまったものじゃない」


「ですよね…わかりました。お話しますからせめて梅田駅まで連れて行ってくださいませんか、そこにノロイの仲間と待ち合わせしているんです」


「ふむ…さっきの老人の死者は仲間がいるのか。死者が複数でなにか行動しているのは興味深いな」


とりあえず聞きたい事がたくさんあったので、順序立ててみた。
それと梅田まで眉刀を連れて行ってやる事に同意した。
さすがに都市伝説クラスの化け物でも快速電車を追ってはこれないだろうし、これ以上の危険はないと思ったから。

まず

*おまえはなんなんだ
*なぜヒキコに追われている?
*あのノロイってっ爺さんはだれ?
*お前たちの仲間は複数いるのか?

とりあえず優先的にこれらを眉刀に説明してもらうことにした。


「はい、まずワタクシ眉目飛刀は…日本風に言えば刀が妖怪化してさらに死者に進化したハイパーな存在です」


「ハイパーとかつけなくていい」


「妖怪だと?日本風といったな、おまえの刀身の装飾は日本のものではないと思っていたが…」


「はい、私は中国で作られた刀でした。どれくらい昔でしょうか…遠い遠い昔、私はさる名工の最後の作品として生まれました。その名工は私に魂を授けてくれたのです」


眉刀は懐かしむように目を細めて語りだした。


中国では物や動物、果ては植物までが何らかの原因で自我を持つ事があると言われてきました。自我、というよりは神通力とでも申しましょうか?大概が普通の寿命より長く生きたりした場合に持つと言われています。
原因はわかりません、なぜ長寿な動物が自我を持ったり、生物ではない物質に意識が宿るのか。
しかし私は自我を持ちました、我思うゆえに我あり、私は思考し存在しているのです。
私の他にもカマキリや槍や馬や猫や…様々な動物や物が意思を持った現象を実際に見てきました。
古代の中国の人々はそういった存在を「妖怪」と呼んだり、ものによっては「神獣」などと言い神格化したりもしました。
そしてさらに、意思をもったものが修行によって神通力を持つと、「妖怪仙人」となるのです。
みなさんがご存知な有名どころで言うと、猿の妖怪仙人である孫悟空などはどうでしょう?彼が仙界で修行して神通力を得たのは記述にもありますよね。
私はその刀版だと思ってください。
意思を持った私はとある仙人と出会い、彼に師事しました。
やがて厳しい修行の結果、自らを浮かせ自由に移動したり、人語を解したりとおよそ刀にはできない事をできるようになりました。
私の見ていた世界は一気に開け、新たな世界が広がりましたよ。

私はその後、刀としての本命を歩もうと様々な剣豪の手を渡り歩きました。
彼らの剣術を身を持って学び、太刀筋を単独で再現できるようになって行きました。
仙人同士の大きな戦争にも参加し、活躍もしました。まさに私は生ける兵器となったのです。

仙人の戦争が終ってから世界へ足を伸ばし、いや足なんてないですけどね、さらに色んな剣豪の手を渡り歩きました。行きずりの剣士の手に身を委ねたこともあったさ、歴史上有名な戦士に振り回された事もあったさ。
そうそう、かの有名な宮本武蔵の腰に帯刀された事もあったんですよ!
よく喋るからうるさい、とすぐに川に捨てられましたが…。

そしてある日、私は紅い月を見ました。
その翌日…私を手にしていた剣士は戦いに敗れ、火山の火口に落ちました。私を握ったまま、道連れですよ!ひどい話です、恋人同士でもないのに。
さすがの私も溶岩に溶かされ死んじゃうんだなーと思ったんですが…。
死者のあなた方ならご存知の通り、気がついたら体を持たない存在になっていたのです。
しかしですね!私はむしろ死者になった方が過しやすくなったのです。
常人の前では自我がある事を隠してましたしね、人混みの中でフワフワ飛ぶわけにも行かないでしょう?
それが死者になったら、人の目をはばかる事無く行動できるようになったものですからもう楽しくて楽しくて。

・・・と思いきや情けない事に先日ヒキコに刀身を折られこのザマです。
刀身を折られたら思うように神通力が働かず、自ら動くこともままならなくなりました。



「とまあ自己紹介はこんな感じでしょうか」


「なげえよ」


こいつの話のペースで、梅田に着くまでに全部聞きだせるんだろうか?











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