FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

サクラのエリコ 第十四話:「やべえな」

この日本の日常生活の中で、ピストルを向けられてどういうリアクションが取れ
るだろうか?

一番無難なのは両手を挙げて降参することだろうが、大概の者がそれが本物かど
うか確かめようと銃口を覘いてしまうのではないだろうか?

そんなことをしたところで素人に本物かどうかを確認できるはずもないのだが。

しかし慶一郎は知っていた。
銃を本物かどうか確かめる術ではない。銃を持った人間の独特の雰囲気を、であ
る。

いくら馬鹿な慶一郎でも直感でこれはやばいと感じた。
自然と体をエリコとカスミを庇うように前にでる。


「鹿島はどこだ?」


男の一人が沙耶香に問うた。

「知らないわよあんなチンピラ」


沙耶香は相手を睨みつけながら吐き捨てるように言った。


「俺たちはできる限り手荒な真似はしたくねえんだ、素直に話てくれねえか」


「だから知らないって言ってるでしょう!」


「じゃあ仕方ない、一緒に来てもらおうか」


「いやよ」


「じゃあこの関係ない一般市民が巻き添えを食うだけかな」


リーダー格の男も懐から銃を取り出し、エリコ達に銃口を向けた。


「ちょっと!ただのご近所さんよ、関係ないでしょう!」


「俺たちにはそんな事関係ねえんだ」

「卑怯者...そうやって大地に罪をなすりつけたのね」


「あいつには世話になったよ、あいつがムショにいてくれるおかげで俺たちはこ
うやってシャバで大手を振って歩けるんだからな」


「クズ野郎・・・」


悔しいのか、沙耶香は歯噛みした。


「お前たち、何をしている!!!」


マンションの前の通りの先から怒声が聞こえた。
白と黒の模様が入った車から、制服姿の男たちが飛び出てきた。

警官だ。


「チッ、長居しすぎたか。いくぞ」


男はそう言うと沙耶香の腕をつかんだ。

ガッ


とっさに慶一郎が男の腕を蹴り上げた。


「うっ」


たまらず沙耶香から手を離す。そこへさらにカスミの体当たりが加わる。

不意を突かれた男は、倒れはしなかったものの拳銃を落としてしまった。

とっさに拳銃を拾う沙耶香。


ガーン。


薄い鉄板を思い切り叩いたような炸裂音が響く。

もう一人の男が銃の引き金を引いていた。

銃口はカスミ達に無作為に向けられたまま、そこから硝煙を上げている。

その一瞬では誰かが撃たれたのか、などあまりの銃声の大きさに驚き把握できな
い。

遠くで警官の叫ぶ声が聞こえる。
抵抗する紗耶香を男たちは諦めてマンションの裏口か逃走した。


「なにボーっとしてんだ、行くぞ!」


慶一郎は沙耶香の腕を掴み走り出した。


「いくよエリコ!」


「カスミはエリコの腕を掴む」


「ちょっちょっちょ、なんで逃げんの!保護してもらおう今すぐに!」


「馬鹿ヤロウ、とにかく走れ!」


深い事情はわからない。しかし鮫島の娘を警察にも渡してはならない。
というより「警察のお世話になってはいけない」という鮫島の普段の教育が慶一
郎を反射的に動かした。


ふと紗耶香を掴んでいない方の腕を見ると、シャツの袖が真っ赤に染まっていた



ああ、やべぇな。







▼ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「サクラのエリコ」に投票

nnr.gif

ブログランキングにもご投票していただければ幸いです。
a_02.gif
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://intuitions.blog60.fc2.com/tb.php/229-76898ca7

FC2 Blog Ranking

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。