FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Red_cry 第八十二話「わかってはいるけれど」

死んで肉体が滅んだというのに、ノロイじいさんの体は血まみれの肉塊となりつ
つある。
死者の体に見えるものはイメージだとヤタが言っていた。
死者の見えるものに対して、対象の死者が無意識に自分自身のイメージとなる信
号を送りつけているのだとか。
だからアカネさんのように怒りを露にしている状態だと、口が裂けているよう
に肉体が変化してみえる。
今ノロイじいさんが激しくダメージを受けているように見えるのも、ノロイじい
さん自身が自分はダメージを受けていると認識しているからなんだろう。
認識している...ということは、彼が僕らに対して視覚的な信号を送ってい
るということは彼はまだ生きているのではないか?
死者に生きているなんて言葉を使うのもナンセンスだけれど、他に代わりになる
言葉が思いつかないから仕方がない。

ノロイじいさんはまだ生きている!


「じいさん!じいさんしっかりしろ!」


返事どころかピクリとも動かない。もう彼は消え入る寸前なのだろうか。
しかしまだ、まだ助かるかもしれない。


「ヤタ!」


「な、なんだ月歩」


嫌な予感を察知したのであろう、ヤタは返事を戸惑うように言葉を詰まらせた。


「この長包み、掴んだまま梅田まで飛べるか?」


「おい!貴様またよからぬ事を考えてるのではあるまいな!!」


「飛べるかどうか聞いてるんだ」


「赤マントの時の事を忘れたカァ!一時の感情に流されて、おまえは消されると
ころだったんだぞ!」


「忘れちゃいないさ、でも覚えてたからってどうなるもんでもない」


「このアホウ!都市伝説級のヒキコに勝てるとでも思ってるのか!!!」


「勝てるわけねえだろ、でもじいさんを放っておけない」


「ド!ホ!ウ!その老人のことは諦めろ!!生き延びろ事を最優先で考えろ!!」


「いいえ、名案とはいえませんが望はあります」


それまで沈黙を続けていた眉刀がつぶやいた。


「なんかいい案があるのか?」


「ノロイに剣術を教えたのは私です、それと同じ様にあなたが私を扱うことがで
きれば、勝てないにしろ逃げ延びることはできるかもしれません」


「どいつもこいつもアホばっかりカァ!!今から剣術のお稽古カァ!?それなら
遺言でも一筆したためた方がましだカァ!!!」


「まさか、私の剣術指南はちょっと違います。体で覚えてもらうのです」


「時間がねえ、どうするんだ」


僕は眉刀が何を言いたいのかわからない。しかし彼に頼るしか僕には術がない。


「私に体を委ねなさい、私があなたを動かします」


「乗り移るのか?」


「完全にそうするわけではないです。あなたの運動中枢を刺激し、私の持つ剣術
の経験と知識を流し込むのです」


「俺でも強く立ち回れるんだな?」


「はい、あなたに戦う決意が強くあるのなら」


「決意だけで強くなれるならカラスだって超鳥になれるカァ!」


「決意は前に進もうとする力に過ぎません。私は長い間さまざまな剣豪の術や動
きを体感し、蓄積してきました。しかしそれを伝えるには迷いのある体では無理
なんです。ノロイにも最初はそうやって体で覚えさせましたから」


迷ってる暇はない。

ヒキコが一歩づつ間合いを詰めてきた、獲物に飛びかかる寸前の猫のように。
僕は眉刀の柄を強く握りしめた。









▼カテゴリ別オンライン小説の人気投票です。投票していただけると更新さらにがんばりまっす!
ぽちっとお願いします!
▼オリジナル・全年齢対象・長編連載小説検索
 WenderringNetwarkさまのランキングです。
ぽちっとお願いします!

▼ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)

nnr.gif

ブログランキングにもご投票していただければ幸いです。
a_02.gif

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://intuitions.blog60.fc2.com/tb.php/247-9d751e05

FC2 Blog Ranking

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。