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Red Cry ・第四十二話:「アライグマ?」  06’10/18更新

。顔がにこやかになるのを一生懸命抑えてるのが見え見えだ。ほんとに度胸のある人だと思う。僕は恐ろしくて前に進むのが気が重い。
何本も同じ街灯をやり過ごすと、袋小路の終わりが見えた。とりあえず無限ループでない事に一安心だが、その先には何があるのかはまだここからは伺えない。
「気をつけて、何が出てくるかわからない」「うん」
アカネさんはそう言うと僕の手を強く握った。
最後の街灯は灯りが消えていた。だからその先は真っ暗で何も見えない。闇の中に突入することを覚悟し、最後の街灯を越した瞬間
「パチッ、ジジジジ」
乾いた音と共に突然電球に火が灯り、辺りを照らし出した。とても電球の明るさでないほど不自然な明るさで辺りの景色を生み出す。袋小路を出た先は拾い空き地だった。空は太陽が落ちる寸前の真っ赤な夕暮れ。空き地一面に膝程までの雑草が生い茂っている。それは夕暮れの日差しを浴び、空き地いっぱいにオレンジの絨毯を敷き詰めたようだった。
「月歩君!」
アカネさんの方を振り向いて僕もハッと息を飲んだ。今通り抜けてきた袋小路が綺麗になくなり、そこには何事もなかったように土管が積み上げられていた。まるで某マンガのガキ大将がいつも座ってるシーンを思い出させるような。
「後戻りできないってわけね」
「どうせ袋小路さ、問題ない」
とりあえず空き地を抜けたいのだが、膝元まで延びた雑草になにか潜んでやしないかとちょっと君が悪い。
ガサ、ガサガサ
嫌な予感的中。茂みの中に何かいる。僕は反射的にアカネさんをかばうように立つ。まぁ何かあればアカネさんの方が強いだろうけど。
(*・ω・)ヒョッコリ

突然躊躇なく茂みから顔を出したのは…
「アライグマ…?」
僕とアカネさんは声を揃えてそう言った。アライグマらしきものは頭の悪そうな顔でじっとこちらを見ている。
「アライグマがなんで」
アカネさんは確かめるようにまじまじとそれを見た。
(*・ω・)「ガーン」
(#・ω・)「アライグマだと!?」
(◎・ω・)「ニイチャン新井さんてダレ?」
突然声を荒げてもう一匹が、間の抜けた声のがもう一匹顔を出した。
「アライグマが三匹…」
(*・ω・)「失敬な!!」
(#・ω・)「我々は!!」
(◎・ω・)「新井注デス」
(*・ω・)(#・ω・)「チガウ!!!」
どうしよう、突然コントが始まった。
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